書評

【メモの魔力】構成は悪いが内容は悪くない【前田裕二】

読み始めはなんとなく

とある休日。所用を済ませた帰り道に、PayPayが使える小さな書店を見つけました。最近はもっぱら電子書籍が読書の中心ですが、紙の本だって大好きです。書店に入ってみると雰囲気もなんだか良かったので、PayPayキャンペーンに乗っかって5000円分購入することを決意。そんな中で目に止まったのが「メモの魔力」です。

Amazonではオススメでよく見かけていた、この本。ビジネスマン向けのベストセラーは、こういう勢いまかせのときにしか買えない雰囲気がぷんぷん漂っています。この機会を逃してはいけない。気付けばレジでお会計を済ませていました。

一緒に買った本たちを読み終えて、いよいよ「メモの魔力」の出番です。厚みもほとんどなく、内容も難しくないのですぐに読み終わりました。

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メモの魔力ってどんな本?

ここで「メモの魔力」の概要を。

著者

著者は前田裕二さん。年齢は31歳。早稲田大学政治経済学部を卒業しています。

この本を買うときに著者は見なかったのですが、ライブ配信サービス「SHOWROOM」を立ち上げた方だそうです。

前田さんはメモを多くとることで有名なメモ魔で、いつでもどこでもメモを取り続けているんだとか。その姿勢は帯にも書かれている秋元康さんも太鼓判を押している様子。

そんな"プロのメモ魔"が書き上げたのが「メモの魔力」ですから、かなり説得力がありますよね。

内容

簡単に言うと前田裕二さんの経験からメモにはどのような力があって、その力を引き出すためにどうメモをとっていくのかという内容です。

本書によるとメモには単に備忘録として使う他に、知的生産のために使う方法があります。備忘録とは例えばお買物リストのようなもの。しかし知的生産のためのメモは少し違っていて「事実から本質を見抜き他に応用する」という手順を踏みます。これによって様々なアイディアを生みだすことができるのです。

前田流に言うと「事実→抽象化→転用」。これこそがこの本の最も重要な、根本思想です。

これ以外の内容もまったく面白くないわけではないのですが、普通に読むと構成があまり良くないので、メモの良さをあまり感じず、メモをとることは面倒なものという印象になる恐れがあります。特に「メモの魔力」というタイトルを聞いて直感的に何かを期待して読み始めると、需要と供給のギャップを感じるはず。そのせいかレビューには酷評が多いです。

最も気に入っているポイントは?

最も重要な根本部分を除くと、個人的には前田さんのメモ魔っぷりが垣間見えるエピソードが面白いと感じました。要は説得力をもたせるための部分ですが、独自性を感じられるのもここです。

就職活動でかならず通る道、自己分析。自分の軸を見つけたりするために用いられる方法の一つで、就活生は避けては通れません。とはいえ、そこまで深く自己を分析することはなく、ぼんやり軸っぽいものを見つけて終了です。

前田さんはこの自己分析を得意の知的生産メモで徹底的にやりつくします。自分に質問をぶつけまくり、自分の本質・軸をまったくぶれない位置まで掘り下げていくのです。このエピソードは個人的にかなり印象的。なぜなら僕は元ニート。まったく自己分析をしなかったので、対局に位置するであろう自己分析の鬼は衝撃でした。

メモの魔力を読んで変わったこと

僕は文具が好きで、ノートとペンは常に持ち歩いているものの、あまり書くことがなく使いみちに困っていました。が、メモの魔力を読んだあとは普段なら書かないようなちょっと気になったことを書き、掘り下げる。むしろちょっと気になってないことも無理矢理気になって掘り下げたりと、ビジネスマンっぽいことをするようになりました。

これが実際に成果につながっているかは正直わからないのですが、ノートなんて書いたらもう振り返らないタイプだった自分も、ちょくちょく過去に書いたメモを見返すようになったので、なんらかの影響を受けていることは間違いないでしょう。

もしこれからメモの魔力を読んでみようと思っている方は、あんまり気負わず、とりあえず読み切るくらいの軽い気持ちで読んでみるのが良いと思います。

というのもいきなりメモ魔の前田さんを真似するのはあまりにもハードルが高いから。アスリートの練習メニューを見て同じメニューをこなそうとする素人はいませんよね?

なので、ぼんやりと「すごい人がいたもんだ。自分もできることからやってみよう」くらいの影響を受けるのがベターではないでしょうか。

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