書評

【図書室ミステリ】「本と鍵の季節」感想

私が好きな作家を聞かれたときに挙げる中の1人、米澤穂信。昨年2018年12月14日に出版された彼の作品「本と鍵の季節」を遅ればせながら読み終えたので、感想を。

読んだきっかけ

「氷菓」のアニメきっかけで原作の<古典部>シリーズを読んで以来、米澤穂信ファンになった私。新刊が出ると基本的に読むことにしています。

しかし昨年は色々と忙しかったこともあって、読書そのものから離れていたため、読まず仕舞になっていました。

一度“”を逃すと、読もうと思えるタイミングはなかなか訪れず、まったく関係のない他の本は読んでいるのに「本と鍵の季節」は購入すら先延ばしに。

とある場所に2ヶ月に1度ほど訪れる小さな書店があり、私はそこで必ず何か1冊は買うことにしています。お店を応援したいだとかそういった気持ちからではなく、なんとなく決めた自分ルールです。

本当に小さな書店ですから、おのずと本のレパートリーも限られたものになっています。大半のエリアは児童向けと雑誌に割かれているため、単行本はほとんどありません。

先日その書店を訪れると、本当に限られた単行本エリアに「本と鍵の季節」が平積みされていました。平積みするスペースもほとんどないのですが。

これは天の思し召しと、無事購入し、またやや間をあけて今日読み終えたという次第です。

米澤ビターな読み味

基本的に米澤穂信の作品は、全体的に苦い雰囲気があります。ジャンルはミステリなので、謎がとけるというスッキリ感はあるものの、読後感としてはまったくハッピーな感じのしない、なんだかしこりの残るのが特徴です。

「本と鍵の季節」は高校生で図書委員の僕と、同じく図書委員の松倉の2人が、なんだか妙な出来事に巻き込まれ、推理を展開することになるお話。全部で6編あり、すべてが本と鍵に関係する話です。

 

私が特に気に入っているのは「ロックオンロッカー」。偶然が重なり同じ美容院に、一緒にいくことになった2人。大きな美容院なのに客が2人だけであったり、普段話さない店長がやたら丁寧に接客してくれたりと様々な違和感を感じつつ、ある出来事の"傍観者"になる1編です。

この話ではそのある出来事に2人は積極的に関わっていません。そのためか、他の話よりもこちらも傍観者でいられるような、気楽な感じがしています。

 

とはいえロックオンロッカー以外も、本当に徹頭徹尾おもしろく、時間や場所を忘れて集中してしまう1冊でした。謎もおもしろいですし、2人の会話劇もなかなか小気味よく楽しませてくれるので、ぜひ読んでみてください!

図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編

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